すい臓がんとは

膵臓がんは、膵臓の中の膵管上皮細胞から発生したがんです。身体の奥にあることで治療が難しいこと、初期は無症状のことが多く、背中の痛みや糖尿病のコントロール不良などの症状で受診される時には既に進行がんである事が多く、早期発見が難しい代表的ながんの一つです。周囲に大きな血管や重要な臓器があり、それを巻き込みやすいため、診断がついた段階で手術できる患者さんはわずかに約20%に過ぎません。また切除できても術後の再発率が高く、術後の5年生存率は20～40%と不良です。

すい臓がんの芽

膵管内乳頭粘液性腫瘍（Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm : IPMN）は膵臓がん以外の代表的なすい臓腫瘍の一つで、最も頻度が高いものです。膵臓にできる嚢胞性腫瘍の一つで、内部は粘稠度の高いネバネバした粘液です。この腫瘍も膵がんと同様に無症状のことが多いですが、大きくなると粘液によって膵液の流出が妨げられたり、膵炎や糖尿病を併発したりすることがあります。最も重要な点はこの膵管内乳頭粘液性腫瘍（IPMN）自体が癌化する可能性を有している点で、発見されれば慎重に経過を観察する必要があります。

すい臓がん発生リスク

膵臓がんの発生のリスクには様々なものがあり、種々の遺伝子変異や、膵臓がんの家族歴、飲酒、喫煙、肥満、高齢の他、慢性膵炎、糖尿病、膵管内乳頭粘液性腫瘍などです。
以下に当てはまる方に、特にMRIによるすい臓のチェックをおすすめしています。

• ご家族にすい臓がんの患者がいる（いた）方
• 他のがん（乳がん、卵巣がん、悪性黒色腫、大腸がん）の家族歴がある方
• 糖尿病で治療中の方
• 日常的な飲酒歴がある方
• 喫煙者、過去に喫煙していた方
• BMIが25を超える肥満の方
• 50歳以上の方
• 慢性膵炎と言われたことがある方
• 過去に膵臓に嚢胞、嚢胞性病変があると言われたことがある方
• 健康診断の超音波検査で、すい臓が見づらい、見えない、描出不良、評価不能と言われたことがある方
• すい臓がんの可能性が心配な方

※引用元：日本肝胆膵外科学会HP、ADVANCED IMAGING CENTER HP

その他腹部臓器も同時にチェック

膵臓と同時に撮影される肝臓、胆嚢、腎臓、副腎、脾臓も併せて精密にチェックできます。定期健康診断で腹部の検査をしていない方や、腹部の検査が超音波（エコー）検査のみの方に特におすすめします。

異常がみつかった場合は

当クリニックのすい臓MRIドックで異常が発見された方には、当院の提携する専門医への紹介や、ご希望される医療機関への紹介を行っています。

検査費用

MRIドックのキャンセル料

MRI検査の注意点

• 検査部位に関わらず、必ず着替えをして頂きます。
• 検査前に、ウィッグ・かつら・ヘアピン・入れ歯・カイロ・エレキバン・カラーコンタクトレンズ・アクセサリー・コルセットや装着具・補聴器 ・持続自己血糖測定器（パッチ）・針・各種貼り薬などは外していただきます。
  ※当日外せないものがある場合、 検査を受けていただけません。
• 頭部・頸部・肩の検査の方は美容針ファンデーション・アイメイク（アイシャドウ・マスカラ・つけまつげ等）は火傷や変質の恐れがあります。検査前にメイクを落として頂きます。
  ※パウダールームをご用意しています。

下記の項目に当てはまる方はMRI検査を受けることができません。あらかじめご了承ください。

• 心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方
  ※MRI対応ペースメーカーであっても、専門施設での主治医および臨床工学技士の立ち会いが必要となりますので、当院でMRI検査を受けることはできません。
• 色付きで粉状の増毛剤、整髪剤、カラー剤を使用されている方（検査までに洗髪されていない方も含む）
• 除細動器を埋め込んでいる方
• 脳動脈瘤クリップを使用している方（近年使用されているチタン製クリップは対応可能ですが、MRI対応か不明の場合は検査をお受けいただけません。かかりつけの病院にお問い合わせください。）
• 人工内耳、人工中耳を埋め込まれている方
• 聴性脳幹インプラントを埋め込まれている方
• 可動性義眼を使用されている方
• 当日の問診により安全上問題があると医師が判断した場合、検査をお受けいただけません。

また、以下に該当する方は検査の部位や内容によって検査を受けていただけない場合があります。

• 妊娠中

妊娠中の患者様は妊娠15週以降で依頼医師が必要と判断した場合に検査を受けていただきます。